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其の二十八


ご霊前 ご仏前
 
市販の香典袋というのがあります。この中に香典のお札を入れて、お通夜やお 葬式に持参するのですが、両方に出す慣習はありません。
お通夜のときに差し上げて、翌日のお葬式では受付を素通りするなんて具合が 悪い、とお葬式のほうは欠席する人がいます。時間がやりくりがつかない場合は、どちらかに出席して香典を差し出せばよいのですが、ゆとりがあるのに欠席するのは失礼でしょう。
ところで、香典袋の表書きは「御香典」と書くべきなのでしょうか。
現代も、「御香典」「御香奠」「御香資」などの表書きが一部で通用しています。また「御香料」「御香華料」と書くこともあります。
けれども、これら以上に一般化しているのは「御霊前」なのだ、と覚えておきましょう。
もうひとつ「御仏前」というのがありますが、こちらは主として忌日(命日)に持参する香典の表書きに用いられます。つまり、年忌法要の表書きなのです。
お通夜やお葬式は、亡くなられた方との最後のお別れをするための席ですが、四十九日や百か日や一周忌は、すでに成仏なさって、仏さまにおなりになった故人のためのご供養の席ですから「御仏前」という表書きのほうがふさわしいのです。
また、香典袋の水引の色が黒と白、黒と銀色のものは、お通夜かお葬式の場合に、白と黄のものは年忌法要に用いる、というのが常識とされています。しかし、白と黄の香典袋をそろえているお店がほとんどないのが現状です。
香典袋の表に、名前を手書きによらず名刺を張りつけたりする方がありますが、これはいわゆる・・・手抜きで・・・好ましいやりかたではありません。
香典袋の上包みと中袋に、贈る側の住所氏名と金額を記することもお忘れのないように。


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