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其の二十三


学校に宗教教育
 
 「道徳なき教育は、智恵ある悪魔をつくる」これは、西洋の賢者の言葉です。
 便利で快適な生活が楽しめる世の中になるにつれ、無気力な若者がふえています。しかも万びきなどの犯罪がふえ、さらには殺人などの凶悪犯も日ごとに多くなっております。
 そのため、学校での宗教教育の必要性が叫ばれております。しかし、公立の学校で特定の宗教や宗派の教育は禁じられており、論議はすすみません。
 そこで腹式呼吸の実行を提案したいと思います。学校で授業のはじまる前に、背スジを伸ばして椅子に掛けてもらいます。
 その時に先生が、「ハイ息を頭の上まで吸い込むように、大きく吸って」 「その息を、グツと下腹部までタメ込んで」 「それから、少しづつ静かに吐いて、吐いて、吐き切って」というように、指導してはどうでしょうか。
 あるいは、全校全体にスピーカーで「ひとーツ、ふたーツ・・・」と号令をかけて実行してもよいでしょう。これを十回ほど繰返します。時間にして二分か、三分でしょう。
 休憩中、わいわい騒いでいて、急に授業時間になっても頭の中はざわめいています。そこに勉強を教えてもらっても脳細胞はまともに受けつけてくれません。
 深い腹式呼吸をやると、不思議に精神が安定します。波立っている脳細胞が落着いて平静になります。教育効果もグンと上昇するにちがいありません。しかも、人間の「素直な心」が自然に養われます。
 この素直な心が道徳心はもちろん、すべての宗教心の根幹をなす謙虚な心です。
 このような腹式呼吸のコツを小中学校時代に習慣づければ、一生の宝を身につけたことになります。
 
福井県 御誕生寺 第11号より抜粋

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